歯切れのよい将棋であったが、飛車を取ってからはもしかしたら形勢は悪かったのかもしれない。
南の金、銀を使った強手に最終的には負けていた将棋であった。
トン死で拾わせてもらった将棋であるが、南のよさが出た将棋である。
右四間飛車模様から20手目△3三銀と角筋を止めたのは作戦的にちぐはぐな感じがしますが、これも形にこだわらない南氏の持ち味なのでしょう。
31手目▲2六飛から▲3五歩では▲7七銀から矢倉に組むのが普通ですが、高塚氏らしい意欲的な指し手と言えます。
41手目▲2四歩からの開戦は一目無理筋ですが、それまで流れからすると必然なのでしょう。
両者の将棋には善悪を超えた、血の通った指し手が多く見受けられて、熱戦になることが多いです。
本局もその通りになりました。
43手目▲7五歩から▲6五歩が先手の狙い筋で、後手の金銀がバラバラなので、これで手になっているようです。
51手目▲7三歩成では▲6六歩△7七歩▲7九金という手順も指してみたいところですが、高塚氏の棋風ではないのでしょう。
56手目△6四銀では△7四同金としてみたかった。
しかし60手目△7五金が好手で▲7三銀が空を切った感じ。
してみると、▲7三銀では▲7三歩成として以下△9二飛なら▲6六歩か▲8三銀から飛車を取りに行くほうが良かったようです。
61手目▲8二銀不成のところ▲6六歩は△7七歩や△4五歩▲同銀(▲同桂)△4八角の筋を狙われて、先手が悪そうです。
以下△6六歩と急所の歩が入って先手が悪くなったように見えますが、後手も角が使えていないし、いつでも王手で攻防の飛車が打てる形なので、大変な形勢に見えます。
よって63手目▲6六同金では▲5七金と辛抱してみたかった。
66手目△7七歩が入っては、今度こそ後手が良くなりました。
72手目△4八金は悪手ではないですが、感触悪し。
ここは△4五歩が急所の突きだしで、△同桂なら△4四角、△同銀なら△7六歩から△3五角を狙って、後手が優勢でした。
76手目△7六歩では△8五桂から平凡に剥がしていくほうが判り易かった。
しかし本譜でも後手が良いことには変わりなく、83手目▲4六同歩でも△5四歩▲6六竜△5五歩と二枚角が働く展開になって先手が苦しい。
そういう意味では▲5五桂は勝負手だったかも知れません。
94手目△7七飛成が本当の敗着で、ここは△7九金以下の即詰みがありました。
しかし93手目▲8八玉では、そこで△4三金と補充されても△7八金▲9八玉△7七飛成でも先手が負けなので仕方がありません。
最後に形勢がもつれましたが、両者の持ち味が出た熱戦でした。