この将棋は▲24手目の「5四歩」から▲「7五歩」としたところでは、相当有利になっ
たと思ったが、実はそこから勝ち切るまで大変で、終盤見落としはあったものの、よく
ぞ勝ったと思う。
将棋は理にかなった流れで指していれば、▲54手目「5九香」や▲60手目「6六角」の
ような手がころがっているものである。
ただ、将棋の怖ろしいところは、本当に理にか
なった手を指しているのかが実に分かりにくいところである。
すなわち一局に少なくとも一手は「指運」的な要素があるのである。
▲46手目は「1六飛車」と「8六飛車」と両方あると思ったが、最短の勝ちを目指して
「1六飛車」としたが、これもその日の気分によっては「8六飛車」と指す場合もある
。
対する△47手目「4六歩」には、これまた同金、同飛車、どちらもあるとは思ったが、
形を決める意味で▲「同金」と踏み込んでいったが、これもどちらに手がいくかは私に
とっては紙一重なのである。
将棋は実力だけで勝ち切れるものではないとしみじみと思った一局であった。